ドミニオン対戦中の思考

 事前の考察や検証は今までやってきたが、今回は実戦で何を考えているかを書いてみる。
 4〜6人戦、基本+陰謀+海辺+繁栄を想定。錬金術はオンでしかやってないので一部のみ。
 オフ230戦程度、オン30戦程度と試合数が少ないプレイヤーからの視線なのであんまり当てにならないはず。


サプライ決定後

 基本的な戦略をここで決定し、以後その通りに行動する。1つの戦略に決定するのではなく、2通り以上の戦略を考え他のプレイヤーの行動次第でその中から最も良い道を選ぶ事もある。
 まず最初に場を作るカードを考慮する。具体的には植民地+白金貨、公爵、庭園、礼拝堂、魔女、拷問人、詐欺師、寵臣、海賊船、大使、宝の地図、司教、ならず者。

植民地+白金貨

 植民地がある場合の行動の変化は、まず王国カードの勝利点が微々たるものになるので主に据えないこと。公領公爵は公領7枚以上取れれば勝利点が植民地に匹敵するが、時間的に逃げ切れるか微妙なのと被ると終わるのでリスクが高い。公爵の強さがわかってる人は当然止めにくるので、被ると5枚程度しか買えなくなる。島は序盤は白金貨を優先するために取らず、生産力が手っ取り早く高まるカードを取った方がいい。終盤の圧縮としては有効。庭園は全く追いつかない。早期の3山切れが現実的かどうかは他のプレイヤーの技能次第。全員が庭園の強さをわかっていたらまず無理。
 白金貨の生産力が異常に高いため、最初に取った人が先行する。特に5〜6人戦では植民地が12枚のままなので逃げ切りやすい。強力なロックデッキでない限り白金貨を目指す方が良い。基本的には最速白金貨を狙う。寵臣や古本市など仮想コインで8金目指すデッキでも遅くなってもいいから取る。仮想コインのみで11金はよほど仮想コインの出るカードが多くない限り難しい。
 ただし、植民地は属州に比べ終了までのターンが伸びるので、コンボは決まりやすい。1撃必殺のコンボを狙うのは属州よりも優先順位が高くなる。植民地2枚狙いは22金出す手段次第。
 注意すべきは白金貨がたった12枚しか存在しない点。金貨が4枚程度入っていれば2枚で十分だし、4枚は多すぎるので大抵の場合は大丈夫だが、遅い場や5〜6人戦では重要になってくる。
 また、平均生産力の分子が上がったため分母を減らす効果が大きくなった=圧縮の地位が向上した点も考慮する必要がある。

公爵・庭園

 公爵+役人、鉄工所、隠し財産、橋や庭園+男爵、木こり、工房、鉄工所、橋あたりがあるならまずそれを主にする。
 公領公爵は2人までで、3人で被ると属州が有利になる。初手で役人や鉄工所を取りにいった人に注意し、多いようなら属州狙いへ切り替える。2人以上で取り合う場合は最初に公領を買いきってから公爵に手を出す。自分しか取らない場合は他のプレイヤーの妨害を見ながらどちらを取るか判断する。公領はできれば5枚以上。4枚だと厳しい。
 庭園は3人以上で被った場合、デッキをある程度育てて属州を買えるようにする。庭園4枚なら属州2〜3枚必要。

礼拝堂

 公爵と庭園がない場合、礼拝堂があって仮面舞踏会がないなら高圧縮へ。礼拝堂と相性のいいカードがあるなら基本的に礼拝堂+銀貨スタートでそのカードを途中で加える。1.圧縮の速度を落とさないカードや2.他のプレイヤーの速度を落とすカードは初手で取っても良く、3.圧縮の速度を落とすカードは圧縮がある程度進んだ後に取る。具体的には以下のカード。


1.市場、研究所、大市場、金貸し、引揚水夫、隊商、寵臣、灯台(アタックがある場合限定)、鉱山の村(金貨買えるなら即廃棄)、バザー、宝物庫、保管庫
2.魔女、民兵、巾着切り、幽霊船、詐欺師、ならず者
3.ドロー全般、泥棒、鉱山、宝の地図、破壊工作員


 村系は引き切り16金を目指すなら金の出る祝祭や漁村を初手で入れてもいい。寵臣デッキの初手漁村もあり。
 相性のいいカードがない場合、礼拝堂+礼拝堂スタートで速度を安定させる。6〜7ターンまでに以下の行動をする。


・銅貨4枚廃棄、屋敷3枚廃棄
・銀貨を1枚買った後さらに銅貨1枚廃棄
・銀貨もう1枚購入
・礼拝堂1枚廃棄
・銅貨2枚+銀貨2枚+礼拝堂から金貨購入

魔女

 魔女があって圧縮がない場合は呪いが撒き散らされる。以下購入した人数毎のデッキ内の呪いの数。

人数 P1 P2 P3 P4
1人 0 10 10 10
2人 5 5 10 10
3人 6 7 7 10
4人 7 7 8 8

1-1 魔女を取った人数毎のデッキの呪い枚数


 つまりこの場合自分で撃つことが一番の呪い対策になるため、いやでも取らざるを得ない。呪いがあるとステロだとドローで引いてこれる金が少なくなるし、コンボは手札にパーツが揃いづらくなる。
 ちなみに海の妖婆や香具師も呪いをばら撒くが、海の妖婆は自分へのメリットが皆無なため取りづらく、香具師は呪いをばら撒く能力に劣るため、魔女ほどの脅威にはならない。それでも遅い場では十分な威力を発揮するが。
 速い軽圧縮カードがある場合は送った呪いを処理されてしまうが、呪い以外も廃棄できる汎用性の高さと効果を発揮できる回数で圧縮に軍配が上がる。ただし事後対策は難しく、最初から軽圧縮へ向かった場合のみ現実的。一応妨害として効果はある。
 仮面舞踏会がある場合にいたっては魔女を取ったプレイヤーが最も呪いが多いという謎の現象が発生するため魔女を取ってはいけない。

拷問人

 拷問人はドミニオンで最強のロックカード。3回以上撃つと手札がなくなるか呪いがあふれる。ゆえに連発できる場なら考慮が必要。1人が連続して使わず、全員が1回ずつ使っても似たような状況が発生する。特に6人戦。
 弱点は呪いが切れるとロックが発生しないため、時間制限があるところ。同じ理由で魔女があると成立しない。
 改良や執事で気軽に呪いを取られるが、ロックが成立しないだけで妨害としては効果がある。
 ロックが期待できない場面があるだけで、拷問人が弱い場面はないので取ってもかまわない。場を作るカードではなくなるので、最優先からは外されるが。

詐欺師

 詐欺師は場によって強さが大きく変わる。特に冒険者があって強くない場は非常に強力。この場合詐欺師+詐欺師スタートまである。
 銀貨も絶対に必要なカードだが、宰相や木こりがあると変換先として選ばれるため詐欺師が強くなる。というか詐欺師の変換先が宰相の最も有効な使い方。
 2コストと5コストは必ず変換先に勝利点があるので取りづらい。4コストは銅細工師や航海士などがある場合他のカードも巻き添えを喰らい取りづらい。
 7コストは全て強力かつ戦略の中心になるカードではないため、あまり影響がない。何よりたった4枚しか存在しないので王国カードに被る事が少ない。強いて言えば財宝カードを使わないデッキに銀行が弱いが。
 詐欺師が弱い場面は3、4、6コストに弱いカードがない場合。この場合詐欺師は銅貨を呪いにする程度の影響しかなく、それほどの足止めにはならない。
 また、行商人が売り切れた後でヒットしてしまうと属州にするしかないため撃ちづらくなる。行商人は強烈な詐欺師対策となりえる。

寵臣

 寵臣はやや遅いカードだが、限定条件下でほぼ毎ターン属州獲得と妨害が両立できる。
 寵臣を取りに行くべき状況は1.圧縮できる、2.2〜3回引きなおしに使っても仮想コインで8金出せる、の2つを満たしたとき。1.には執事や見張りが、2.には玉座の間や宮廷、共謀者、保管庫、手先、祝祭、バザー、漁村、市場、大市場、宝物庫あたりが適している。改良は寵臣が切れた後に取る事になるのでさらに遅くなってしまうが、取るなら3コストに有用なカードがない限り屋敷より銅貨の廃棄を優先した方が良い。
 仮想コインで8金出すので策士で引きなおす数を減らすのもあり。倉庫や地下貯蔵庫で減った手札はすぐ戻るので、寵臣を引く手段として有効。
 条件が整わなければ8金を安定して出すのが難しいが、さすがに6〜7枚取ると無圧縮でも回ってしまうので、遅い場で誰かが寵臣に走った場合は阻止する必要がある。速い場ならまず追いつけないので放っておいていいが。

海賊船

 海賊船もまた場によって強さが大きく左右される。仮想コインが出ない場では非常に強く、3番手4番手でも買って運ゲーに持ち込むしかない。
 仮想コインで引き切りデッキが作れる場では非常に弱い。むしろ圧縮の手助けをしてしまう。特に寵臣がある場では手助けにしかならない。
 財宝カードを引いてこれるカードがある場でも弱い。探検家や役人が現実的。工房や鉄工所、造幣所は捨て札に置かれてしまうため廃棄される可能性がある。
 また、呪いがばら撒かれる場では財宝ヒット率が下がるためコイントークンが伸び悩む事がある。
 使うなら先手が廃棄できる可能性が高いため有利。いけるかどうか微妙なときは他のプレイヤーの行動と手番で決定する。海賊船が1人だと財宝カードを止めるのに力不足で、3人以上だと財宝が足りなくなる可能性がある。
 ならず者や民兵、幽霊船、拷問人がいると海賊船が大幅に強化される。海賊船は8トークン1枚や4トークン2枚+村、4トークン1枚+玉座の間など、手札3枚からの8金到達がかなり現実的。なにより序盤は海賊船1枚あればデッキが育つ点が大きい。ただ、寵臣も1枚から8金を出せるのでこの場合も海賊船対策になる。

大使

 大使は陰謀の選択ルールを適用しているかどうかで大幅に強さが変わる。

人数 基本 選択
4人 32枚 92枚
5人 25枚 85枚
6人 18枚 78枚

1-2 銅貨の枚数表


 5人以上の場合選択ルールを取るのが通常だが、大使が永遠と銅貨を撒き散らす事になる。大使を取っても取らなくても銅貨がデッキにあふれる。
 基本ルールの場合は多少マシだが、それでも大使を取らないとかなりの数を押し付けられてしまう。
 ただし、これ以上に早い圧縮がある場合は影響は減る。礼拝堂か、改良や見張りを2〜3枚入れればなんとか。

宝の地図

 宝の地図は倉庫や地下貯蔵庫、停泊所がある場合には2枚そろえるのが現実的なので取る。宝の地図は2枚だけでなく、そろうまで追加し続ける。この場合デッキに銀貨がほとんど入っていないため、5枚目の金貨を追加した方が良い。
 また、植民地がある場合にはひたすら宝の地図のみを買い続けるのもあり。4枚程度買えれば普通に白金貨を狙うのと遜色ない速度が出る。1回そろったら白金貨を買い、以後アクションを加える。ただし、2回そろえようとすると今度は遅くなる。

司教

 司教は取るプレイヤーが多ければ全員が高圧縮になる司教場を作り出す。
 取ったプレイヤーが少ない場合、使ったプレイヤーが遅れ勝利点を得る。屋敷3枚を廃棄すれば属州1枚と同じ勝利点になる事を考えると結構大きい。しかし、他人の司教での圧縮を当てにしたステロはかなり速いので割に合うか微妙。
 一方で、使ったプレイヤーが多い場合は全員が高圧縮になるためそれほど大きな遅れは出ない。VPトークンで十分取り戻せるレベル。
 初手民兵やならず者を絡めたコンボデッキの場合、リスクを抑えて使う事ができる。

ならず者

 ならず者はVPトークンを得られる3枚の中で最も爆発力が高い。使用枚数が増えるにしたがって2点、6点、12点、20点、30点、42点…と勝利点が一気に得られるようになる。そのため、アクションが増える場では考慮する必要がある。
 現実的にはならず者を2〜3枚使いつつ属州や植民地を買いにいくのが効率が良いので、その状況の作りやすさに応じて取るかどうか決める。継続するには圧縮手段や望楼が必要。




 それ以外の場合はステロ、コンボ、軽圧縮のいずれかを取る事が多い。
 これらを判断する基準はまだない。ステロは単純に統計取れば可能だろうが、コンボは複雑すぎて計測の仕方すら考えつかない。
 ステロは大体12〜16ターンで達成できる。以下のカードで可能。

ステロ可能なカード
  • 仮面舞踏会:軽圧縮を兼ねる。安定感があり、呪い系の妨害に強く、圧縮が進むと手札操作系の妨害にもある程度の耐性が生まれる。高圧縮を妨害できる。
  • 中庭:繁栄の財宝カードとの相性が良い。ステロの中でかなり安定し、中庭+銀貨スタートは金貨にたどり着くのが最も早い部類だが、妨害に弱い。
  • 拷問人:5-2スタートの拷問人+無しはもちろん、初手鍛冶屋や中庭からのもう1枚を拷問人にするのも有効。妨害と両立できるが妨害に弱い。
  • 保管庫:超強力なのは植民地がないとき限定。ある場合も普通に強い。呪い系の妨害に強いが、手札操作系には弱い。
  • 鍛冶屋:ステロの基本。妨害に弱い。
  • 錬金術師:ポーションを使うので立ち上がりが遅く、動きはステロっぽくない。ポーションは2〜3枚程度入れた方が安定する。引ける数が多いため呪いにはある程度の耐性があるが、手札操作系で効果が落ち、寵臣に無効化される。
  • 船着場:5コストがネックで不安定だが、2ターンで+4ドローのパワーは十分。呪い系の妨害に弱いが、手札操作系にはわずかに耐性がある。
  • 書庫:手札操作系の妨害対策。コンボに使いやすいカードだが、手札操作系の妨害が強い場ではステロに使う事もできる。呪い系の妨害には弱い。
  • 隊商:ステロにするよりも何か1枚他のアクションを入れた方が強い。妨害にも弱い。
  • 灯台:妨害に対して絶対の効果を発揮する。ただしお金プレイと同程度の速度しか出ないため、アタックが吹き荒れる場でしか強くない。
  • 魔女:本来ならば地下貯蔵庫や倉庫で1枚を回したり、軽圧縮と組み合わせるのが主な使い方だが、ステロはできない事もない。+2ドローなので遅い。妨害効果が高いが妨害に非常に弱い。
  • 商船:次のターンに5枚で6金出せれば属州が購入できる。妨害に弱い。
  • 議事堂:基本セットの中では最も速いステロだが、相手に与えるメリットはそれ以上に大きい。+3ドローと+4ドローの差の分だけ妨害にある程度の耐性を持つ。
  • 記念碑:2枚で最低でも属州1枚分のVPトークンは確保できる。しかし完全お金プレイより遅くなる事がある。
  • 望楼:所詮+2ドローなので遅い。他のアクションと違い被っても無駄にならないため3〜4枚程度入れても良い。隠し財産があると飛躍的に高速化する。妨害に対しての耐性がある。
  • 幽霊船:基本的にはコンボ用のカードだが、他にやる事が無い場合には。妨害効果は非常に高いのだが、自分が受けるメリットがイマイチ。妨害に非常に弱い。
  • 研究所:ステロに使うには遅い。他のアクションカードと組み合わせて使う必要がある。
  • 航海士:イマイチっぽく見えてそれなりの速度は出る。あらゆる妨害に弱い。コンボもドロー系のステロも狙えないときの妥協案。
  • 宰相:完全運ゲー。不安定すぎるが、運で強い人に勝ちたいなら。1万回くらいやれば1回勝てるかもしれない。

 ステロで最も重要なのはアクションを入れる枚数。基本的にはずっと財宝カードを買い続ければ良い。
 +2〜4ドローなら通常2枚。ただし呪いが大量にばら撒かれたらもう1枚追加しても良い。
 キャントリップ系は入れられるだけ。ただし6金は金貨を買った方がいい事が多い。研究所の+2ドローでも平均生産力が1.5を超えるのは難しいため、金貨のが高い生産力を得られる。
 持続は1枚多めでも大丈夫。
 大体の場合で6枚目の金貨は入れる必要がない。3〜4枚買ったら属州購入前でも公領を買った方がいい事が多い。
 ちなみに2ターンに1度の割合で属州を購入するのに必要な平均生産力を考えた場合、財宝カードのみでは1.6だが、+3ドローがあれば1.14ですむ。

コンボ

 コンボの優先順位の目安は以下。


即死コンボ>ロック>引き切り≒属州1枚獲得


 便宜上即死コンボと書いたが、要は決まれば属州を4枚以上獲得できるコンボ。
原住民の橋:代表的な1撃必殺のコンボ。普通に買い集めるほか、デッキを5枚にすれば獲得した1枚が原住民の村を使ったときに常に山札の1番上になる事を利用しても良い。
宮廷*2→橋*3:引き切りや策士から。圧縮できればパーツが少なくてすむため速い。属州なら橋6回でも十分な効果を発揮する非常にお手軽な即死コンボ。


 ロックは相手に何もさせない事を主に置いたコンボ。拷問人の項でも書いたが。基本的には引き切りデッキに組み込むが、単発のコンボで決まるロックもある。
拷問人*3:引ききりに拷問人を混ぜると他のプレイヤーが何もできないか、呪いまみれになる。
宮廷+拷問人:最も簡単に完成するロック。引き切りでなくても、ステロっぽく成立させる事も可能。
宮廷+破壊工作員:引き切りや高圧縮から。破壊工作員のカード購入に追いつけない弱点を毎ターン3枚破壊する事で補う。
幽霊船:引き切りから。かなりデッキが進みづらくなる。この後に拷問人を撃ったり、同時に呪いや銅貨をばら撒いたりするとさらに効果的。


 引き切りはデッキを全て引き切って8金や16金を安定させるコンボ。速度を落とさない圧縮やカードを獲得するアクションがあると早まる。ニコニコ動画久遠寺慶さんの動画が非常に参考になる。
 ステロとどっちが速いかは微妙なところ。場のカードだけでなく、他のプレイヤーの熟練度ですら変わる。強い人だけなら属州3枚+公領で十分なので先手を取れるステロが、弱い人がいるならその人の属州まで取る必要があるため速度の落ちにくいコンボが強くなる傾向。
鍛冶村・古本市:ドミニオンレシピ参照


 決まれば必ず属州を取れるコンボがある場合、財宝カードで買うだけでなくそちらを選んだ方がいい事もある。
策士+保管庫:決まり始めれば毎ターン属州を買える。1枚余るため、改良や見張りでデッキの総数を増やさなければ持続する。
行商人+改築、拡張、鍛造、引揚水夫:通称人身売買。仮想コインや財宝が十分あれば1ターンに属州2枚も見える。
金貨+改築、拡張:属州を獲得するコンボでは基本中の基本。ただし持続力がなくなるのでタイミングには注意。2枚で属州が取れるので魔女場でも有効。
5コストアクション+拡張:原理的には金貨+改築と同じ。終盤にもう使う機会が回ってこないだろうアクションを勝利点に変換する。
宮廷+保管庫:コストが高いのがネックだが、財宝カード無しで属州を取れる。


 その他のコンボにVPトークンを獲得するためのコンボがある。
ならず者*n:引き切りや普通の鍛冶村、古本市から。ならず者を複数回撃つとものすごい勢いでVPトークンが溜まる事を利用したコンボ。
司教+属州+銀貨*2+金貨:毎ターン属州を廃棄し+5VP。司教場になれば成立する他、礼拝堂からでも可能。
宮廷*2+探検家+属州+司教:毎ターン+12VP。もっとも、このコンボができるような場ではもっと効率よく勝利点カードを集められる気がするが。




ゲーム中の思考

 ゲーム中に意識するべき事は以下。


 必ず覚えないといけない事
・自分のデッキ(ステロの場合金貨の数、コンボの場合パーツ数)
・全員の属州、植民地、庭園の数(1人につき1種類、主に集めてるもののみで可)
・全員の戦略


 覚えた方がいい事
・全員の公領の数
・自分の残り山札の内容
・自分に影響のあるカードの位置(民兵や巾着切りなど1枚しか入らない妨害カードや、司教など自分にメリットのあるカードなど)


 礼拝堂や原住民の橋など特殊な動きをする場合には追加される。
 ステロの場合、必要な金貨の数は3〜4枚で、6枚目の金貨を入れる必要はまずない。そのため、6金でたときに金貨が5枚入っていたら属州を買う前でも公領を買いに行く。この判断をするために金貨の数を覚える必要がある。
 コンボの場合、村の数がドローより1〜3枚程度多めにする必要がある。他のアクションが終わるアクションカードの枚数も考慮して数が変わる。バランスが崩れると回らないので覚える必要がある。


 勝利点は厳密に覚えるに越した事はないが現実的には難しいので、通常は属州、植民地があるなら植民地、庭園を集めてるなら庭園の枚数を把握すれば大体の場面で十分。3山切れが見えるときは公領や屋敷の数も覚える必要があるが、意識配分さえできてれば自然とできる。
 これは終了させるタイミングを計るために使う。大幅に勝っていれば終わらせる方向へ向かい、5分か負けているなら普通に勝利点を取りに行く。最後の属州を取っていいかどうかの判断にも必要。


 全員の戦略を把握するのは原住民の橋や公爵のような止めなければならない場合はもちろん、高圧縮破壊工作員・泥棒など相乗りしなければならない場合や、拷問人を取る人が多い場の書庫のように耐性を付ける場合など、様々な目的がある。
 ただし、ソリティアで勝てる場の場合は重要度が下がる。公領を買うタイミングを計るため、進み具合は把握しておいた方がいいが。


 で、これらを実行するために何よりも守らなければならないのは、自分のターンで自分の行動を極力考えないということ。考えてると忘れる。意識配分の問題。
 そのためには定石を覚えるのが手っ取り早い。行動をルーチン化する事で極力頭を使わないようにする。ドミニオンGUIやオンライン対戦ツールのソリティアを繰り返せばすぐ身に付く。


時間経過による行動の変化

 属州切れで終わる場合の流れは大体以下のようになる。


序盤:8金出せない段階。デッキを育てる
中盤:8金が出るようになった後。属州を買いつつ、それができないときには有効なカードを買う
終盤:属州が半分以下になった頃。公領や屋敷にも手を出す


 基本的な行動の方針は以下。


・序盤
 ステロなら金貨を目指しつつ適度なタイミングで2枚目のアクションを入れる。+3ドローや3ターン目に中庭を引かなかったときなど4ターン目にシャッフルが入る場合は3ターン目にアクションは買わない。それ以外は3ターン目でも買って良い。
 8金届いたときに金貨を1枚でも買っていれば属州を買う。金貨が1枚も入っていない場合、運が悪く銀貨が5〜6枚入っていれば属州を買うが、運が普通以上なら金貨を買う。
 コンボなら基本的には財宝カードを買わずにコンボの成立を優先する。特にロックデッキでは拷問人や幽霊船を優先して他のプレイヤーを遅らせる。例外はコスト5〜6のアクションが大量に必要な場合で、銀貨や石切場を数枚入れる必要がある。
 誰かが属州を買ったら中盤へ。ここから属州のカウントを始める。


・中盤
 8金に届いたら即属州を買う。それ以外の場合は金貨や銀貨、コンボパーツを買う。
 ロックデッキや即死コンボの場合、8金出たとしてもコンボの完成を優先する。ロックが完成している場合は属州を買う。


・終盤
 6金出ても金貨を取らず公領を取り、少しでも勝利点を稼ぐ。
 即死コンボを発動する。金貨を廃棄するコンボを発動する。



 植民地がある場合は属州でなく植民地で考える。属州より序盤が長くなる。
 王国カードに勝利点カードがない場合、通常属州4枚を目指すのがセオリーだが、魔女場など3山切れになる場合は覆る。3山切れは中盤と終盤がいつなのか明確にはできないし、属州切れの場合より早く公領を買い始める必要がある。1山切れた時に切れそうな山の数と残り枚数を注意すれば見逃しにくい。
 魔女や大使でgdgdになる場では早めに公領を取りにいくのが重要となるが、そうした場合に3山切れせず属州が買えるようになってしまうと逆転される可能性があるので、誰が何を狙っているかをよく見て行動しなければならない。自分1人で3山切れさせるのは難しい。



シャッフルタイミング

 シャッフルがはいるときに場や手札にあるカードは次の周の山札に含まれない。クリンナップフェイズでのシャッフルは通常気にする必要はないが、持続カードが残る場合やアクションフェイズ、購入フェイズのシャッフルで発生する。
 大抵の場面では撃った方が有利になる。ほぼ唯一撃たなくていいのは、目的のカードがすでに買える場面。例えば、8金あって属州が買えるのに鍛冶屋を撃つ必要は全くない。次の周に鍛冶屋を入れる事を選んだ方が良い。
 持続は次のターンに有利になるものが多いので、むしろ撃った方が有利になるケースが多い。例えば終盤5金しかない手札から商船を撃っても公領を買うのは変わらないが、シャッフルが入って金貨が復活する次のターンに属州を取りやすくなる。