ドミニオン繁栄ファーストインプレッション

 オフで20戦ほどやったので現時点での感触を。今後やりこむにつれ変わってくるはず。


 まず最大の違いは狙うべきカードが属州から植民地になった事で達成に必要なターン数が伸びた事。大体5ターンくらい。これによりコンボが決まりやすくなった。
 あと接戦が少なくなった。強力なコンボがない場では逆転が難しく最初に白金貨を買った人がダッシュを決める事が多い。逆に強力なコンボがある場では決めれば勝ち、決められなければ負けというゲームに。
 VPトークンは無視してもいけないし、それだけでも勝てない勝利点カードと両立しないといけない存在っぽい。
 キャントリップや鉱山、廃棄できるカードが強化され、詐欺師が弱体化した印象。
 同じ王国カードでも植民地と白金貨があるかないかで大きく変わる。鉱山や保管庫は強さの差が激しい。
 以下カード毎の感想。


借金:3コスト 山札を財宝カードが出るまで公開する。公開された財宝カードを捨て札にするか廃棄する。
どう考えても強カードなのに全く活躍しなかった。初手で買って終了時銅貨6枚とか。
基本的には軽圧縮のためのカードだが、執事で高圧縮が現実的になると思う。仮面舞踏会だと自分の首を絞めかねない。


望楼:3コスト 手札が6枚になるまでドロー / カードを獲得したときにこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、そのカードを廃棄するか山札の一番上に乗せる。
わりといろんなカードの対策になるが、所詮+2ドローなのでコンボデッキ専用の感がある。財宝カードを引くには力不足。
書庫と同じ特性があるのでやはり祝祭や地下貯蔵庫と相性が良い。


交易路:3コスト +1購入 交易路マットの上に乗っているトークンの数+金 手札から1枚廃棄する / ゲーム開始前にサプライの全ての勝利点カードの上に交易路トークンを乗せる。勝利点カードが獲得された場合、その上に乗っている交易路トークンを交易路マットの上に移す。
サプライに足りない能力を補ってくれる便利なカード。+金はおまけで、+1購入と廃棄が主。仮面舞踏会と同じ匂いがする。
初手交易路+大広間は大いにありだった。ただ勝利点カードを取ると交易路を取った全員が得するのが面倒。



記念碑:4コスト +2金 +1VPトーク
地味に強い。終了までに1枚投入で5〜6VP、2枚で10VP程度。コンボデッキでついでに入れておくほか、強いカードがない場合は記念碑ステロでも十分。記念碑1枚とドローや軽圧縮1枚もあり。


司教:4コスト +1金 +1VPトークン 手札から1枚廃棄し、そのコストの半分+VP 他のプレイヤーは手札から1枚廃棄してもよい
他人の圧縮を手伝ってしまうのでほとんど取られなかった。多分2人以上が撃ちまくると全員高圧縮になる司教場が作られると予想。
司教場になれば山札なしで手札が銀貨2枚 金貨 属州 司教の状態から毎ターン属州廃棄→属州購入して5VPトークンとかできる。植民地があると微妙だが属州だけなら何とかなる?


労働者の村:4コスト +2アクション +1購入
略して労村。村系の中では強い方。特に行商人をさらうために有効。植民地を買うときに11金を越える事が多いので、アクションが継続する+1購入は強い。


石切場:財宝カード 4コスト +1金 このターンの購入フェイズでアクションカードのコスト-2
アクションに対してのみ金貨として働く。効果は累積するので、+購入や護符で一気に獲得する事もできる。
だがロマンを求めても上手くいかない事が多いので、5コスト以上のアクションカードを序盤に取るためのカードとして使うのがメインか。


護符:財宝カード 4コスト +1金 4コスト以下の勝利点でないカードを購入した場合、同じカードを1枚獲得する
コスト4以下で集まると強いカードを集めるために使う。具体的には村。橋や石切場と組み合わせてコスト5以上のカードを獲得するのは同時に引くのがむずいので、素直に石切だけで1枚ずつのが早いような。+3ドローがあれば何とかなるかもしれない。
ちなみに大衆で護符と石切場を引いて都市を集めようとしたら大衆が3回連続大衆で流された。



大衆:5コスト +3ドロー ほかのプレイヤーは山札から3枚公開し、アクションと財宝カードを捨て札にし、残りを好きな順番で山札に戻す
今回の問題カード。運の要素が強くなる。+3ドローなので使わざるを得ないのが運ゲーを加速させる。詐欺師のように場次第で弱い事がなく、常に強いのが最大の問題。
全員が取りにいくカードなので、流される事を考慮してデッキを組む必要があるかもしれない。


保管庫:5コスト +2ドロー 手札を1枚捨て札にする毎に+1金 ほかのプレイヤーは手札を2枚捨て札にして1枚ドローしてもよい
1回使う分にはデメリットが大きいが、宮廷から使ったり複数回使う分にはそれほどでもない。もちろん民兵やならず者からでも。
金貨確定かつ金貨があれば属州確定は強い。大市場もこれ1枚で買える。


玉璽:財宝カード 5コスト +2金 このカードがプレイされているときにカードを獲得した場合、そのカードを山札の上に乗せてもよい
玉璽から玉璽を上に乗せ、その後9金出たら白金貨を乗せ続けるのが強い。とりあえず買っておいていいカード。


投機:財宝カード 5コスト +1金 財宝カードが出るまで山札を公開する。公開された財宝カードをプレイする。
最低でも2金でるので銀貨の代わりに買って良い。圧縮できる場合は特に有効。禁制品と相性が悪い。プレイする財宝の数を稼げるので銀行と相性が良い。


禁制品:財宝カード 5コスト +3金 +1購入 このカードがプレイされたとき、左隣のプレイヤーはカード名を1枚宣言する。あなたはこのターンそのカードを購入できない。
劣化金貨に見えて地味に+1購入が優秀。意外にヒットさせるのは難しく、コンボパーツ集めなど欲しいカードが2枚以上ある場合は指定されなかった方を買えばいいので有効。


香具師:5コスト +2金 ほかのプレイヤーは手札から呪いを1枚捨ててもいい。そうしない場合、呪いを1枚と銅貨を1枚獲得する。
全く役に立った場面がなかった。呪いをばら撒く能力が魔女に劣る上、銅貨を獲得させる効果が相手のメリットとなる事もある。圧縮手段がなく民兵やならず者がある場では強いのかもしれない。


会計所:5コスト 捨て札置き場から任意の数の銅貨を手札に加える
専用のデッキを組む必要があるが、デッキの終盤で引けばほぼ植民地が買える。労働者の村や市場のほか、ならず者は銅貨を購入するデメリットが消えるので良いシナジー
しかし決まるタイミングが限定されていて運に左右される。またデッキが分厚くなるため、デッキが1周すると次に決まるタイミングもかなり先になる。
宰相は3枚コンボのわりに決まって植民地1枚という実用性に欠けるロマンコンボ。


都市:5コスト +1ドロー +2アクション 1山切れている場合さらに+1ドロー 2山切れている場合さらに+1金+1購入
山札が切れる人気カードがある場合は追加の効果を付けやすい。1山切れるだけで非常に強い。どのカードを切らせばいいのかの見極めが割と難しい。強引に切らしに行くのは回り道過ぎる。


造幣所:5コスト 手札から財宝カード1枚を公開しても良い。そうした場合、そのカードと同じカードを獲得する。 / 造幣所を購入したときに、プレイされている全ての財宝カードを廃棄する。
財宝カードを廃棄する効果の方が主で、コピーする効果は副次的なもの。ステロでもコンボでも手札に来ると非常に邪魔。
初手など金貨を買う前にこれを買うと返って遅くなり、金貨を1枚入れた後に買うとすでに圧縮の効果が薄い。金貨や白金貨と同時に引かなければならないが、財宝が増えた後では財宝を増やすよりドローや+購入のが優先される。つまり購入するタイミングも使うタイミングもない。
というわけで現時点では使い道が不明。買った人が負けるカードだった。今後何か出てくるかもしれない。



ならず者:6コスト +2金 +1購入 他のプレイヤーは3枚になるまで手札を捨て札にする / 購入フェイズに1枚カードを購入する毎に+1VPトーク
1枚ではたいした事がないが、2枚以上使うとえらい勢いでVPトークンが稼げる。アタックカードとしても民兵の効果があるので十分強い。
村やキャントリップ+宮廷がある場合注意しなければならないカード。


大市場:6コスト +2金 +1アクション +1ドロー +1購入 銅貨がプレイされている場合このカードを購入できない
ちょっと強い市場だが繁栄環境のアクションが継続する+1購入は強力。行商人を取るのにも使える。
1枚目をどう取るかが問題。銀貨金貨石切場仮想コインで買うほか、保管庫や改築、改良、拡張、鍛造なんかでも取れる。


隠し財産:財宝カード +2金 このカードがプレイされているときに勝利点カードを購入した場合、金貨を獲得する
どのタイミングで買うかが問題。金貨の前に買うのも大いにありだった。得られた金貨は司教のえさにしてもいい。
公領公爵や庭園とも相性が良い。6金でるタイミングは運だが、男爵からなら実用的。終盤で属州が狙えるようになる。



鍛造:7コスト 手札から任意の枚数廃棄する。廃棄したカードのコストの合計に等しいコストのカードを獲得する。
圧縮と行商人の人身売買が主目的だが、5+6や白金貨と屋敷で植民地を獲得する事もできる。しかし7コストが重い。


拡張:7コスト 手札から1枚廃棄する。廃棄したカードより最大3コスト多いカードを獲得する。
イマイチ使い道がない。弱い鉱山として使ったり勝利点カードを1つ育てる程度。白金貨を植民地にするのは改築でもいいわけで。
弱いカードとは思えないが、コスト7が重い上効果が出るのに時間がかかる。


銀行:7コスト このターンプレイされた財宝カードの分だけ+金(このカード含む)
ステロや財宝カードを大量に並べるコンボ用。圧縮する場合は素直に金貨買った方が安定する。銅細工師の完全上位互換カードだが、スタートダッシュを決めるためだけの銅細工師と全く役割が違う。


宮廷:7コスト 手札からアクションカードを1枚選ぶ。そのカードを3回プレイする。
繁栄を代表するバカカード(褒め言葉)。このカードの存在によりキャントリップが大幅に強くなった。特に願いの井戸。
橋4枚に全部使うと植民地を独占できる。3枚でも十分な効果。不可能でないことが恐ろしい。鉱山は銅貨が白金貨になる。



行商人:8コスト +1金 +1ドロー +1アクション 購入フェイズの間、場にあるアクションカードの枚数だけ-2コスト(ただし0未満にはならない)
アクション連打され買い叩かれてから人身売買される身。カード自身の効果はコストや購入の手間に比べ微々たるものなので、8コストという法外なコストを利用するのが主。拡張や鍛造で植民地にしたり、改築や改良で白金貨にしたり、司教で+5VPトークンにしたり、詐欺師対策にしたり。



危険な匂いのするカードは借金とならず者。ダメな匂いがするのは香具師造幣局




・繁栄のカードを使ったコンボ


借金+中庭
投機+中庭
 どちらも目的のカードを操作できる。借金は廃棄したいカードを置くが、金がちょうどのときはそれ以外のカードを置く。投機は金がちょうどか多いなら財宝カードを置き、足りなければそれ以外のカードを置く。
 流したいカードを流す事もできる。


ならず者+望楼
 銅貨を獲得せずにすむ。後述のとあわせると効果大。


ならず者+借金
ならず者+執事
ならず者+見張り
 事後対処になるが取った銅貨を廃棄する。カードを取るバランスがむずいが嵌ると大きい。
 軽圧縮用のコンボで、高圧縮では礼拝堂と勝利点カードメインとした方が良い。1ターンにならず者3枚とかできるなら別だが。


策士→ならず者*2
 8VPトークン出る上属州やコロニーをついでに買える。最も簡単に狙えるならず者2枚コンボ。


村鍛冶+ならず者
古本市+ならず者
 大量にならず者を絡ませる事ができる。圧縮手段が必須。


行商人+拡張
行商人+鍛造
行商人+改築
行商人+改良
行商人+弟子
行商人+引揚水夫
行商人+司教
 +購入とキャントリップや村などで行商人が集められる場合。大体のコストを見るカードとコンボになる。司教の+5VPトークンは植民地がない場合大きい。


護符+橋
護符+石切場
 コストの下がった目的のカードを一度に集める事ができる。研究所、寵臣、都市、貴族などが選択肢。
 護符と石切場2枚ずつ程度ですら遅いので、そこから巻き返せる速度の出せるコンボがあるときのみ有効。


隠し財産+弟子
隠し財産+司教
隠し財産+改築
隠し財産+拡張
隠し財産+鉱山
 隠し財産で稼いだ金貨を処理する。


策士+鍛造
策士+造幣所購入
 大量ドローによって一気に圧縮を進められる。金貨を数枚買った所でできると強力。


策士+銀行
 大量の財宝カードと+1購入という銀行の理想的なコンボ。複数の銀行と+1購入が付くアクションがあれば属州3枚買いすら見える。


策士+保管庫
 ドローがあればなお良し。上手く引ければ毎ターン同じコンボを狙える。属州ならこれらのみでいいが、植民地は一工夫必要。宮廷+保管庫→策士とか。


隠し財産+公爵
 ドローなどと絡めて即2〜3枚隠し財産を取った後に公領を買い出すと息切れしにくい。平均生産力が1を超えればいいデッキなので、隠し財産単体で来たときに屋敷を買ってもいい。


ならず者+司教
民兵+司教
ならず者+保管庫
民兵+保管庫
 決める事が目的ではなく、ちょっとした嫌がらせ程度のコンボ。司教や保管庫のデメリットを消すだけなので、無理に狙う必要はない。


議事堂+ならず者
 民兵と同じ。


ゴーレム+会計所
 アクションは会計所1枚とゴーレムたくさん。会計所1枚ならゴーレム使用時に山札が全て捨て札になるのでフルスペックを発揮できる。


ゴーレム+ならず者
 こちらはならず者3枚程度必要。手札に被らない限り確実にならず者2枚コンボを決められ、銅貨が増えてもゴーレムを引ければ問題ない。




・実用性にかけるコンボ


会計所+銀行
 ネタコンボ。銅貨のみで十分植民地を買える。市場や祝祭、労働者の村から決まれば植民地2枚も見えるが、銅貨で薄まったデッキで決まる可能性は低い。


地下貯蔵庫+会計所
 実用的に見えてネタの域を出ないコンボ。会計所が機能するようになった後で地下貯蔵庫を追加していくのはありだが。


村+宰相+会計所
 誰もが考えるであろうネタコンボ。3枚使うのに決まって植民地1枚というロマンしかない実用性のなさが魅力。